純粋な心・勇気・強さを兼ね備えた勇者「ダイ」の魅力とは?『ダイの大冒険』

『ダイの大冒険』は1989年から1996年まで「週刊少年ジャンプ」にて掲載されたロングセラー漫画。主人公である勇者「ダイ」、そして「ダイ」の仲間たちが「大魔王バーン」を倒し、世界に平和をもたらすまでを描いた作品です。このロングセラー漫画は、国内だけでなく海外の人気も高く、台湾・韓国・スペインなど各国でコミックが販売されています。今回はそんな、強く純粋な心を持った勇気溢れる主人公「ダイ」の魅力についてご紹介したいと思います。
皆に慕われるダイ
ダイは、幼少期デルムリン島で鬼面導士「ブラス」によって育てられます。デルムリン島は別名「怪物島」と呼ばれ、恐ろしいモンスターが徘徊している島。しかし、この多数の凶悪なモンスターを遊び相手に、ダイは平和に暮らしているのです。この幼少期の経験から、ダイの心は人を疑うことを知らない純粋な青年となり、島を出て大魔王バーンを倒す旅に出てからも、仲間や人を疑わない純粋な心で接するダイを皆は慕います。敵対していた相手が仲間になったり、自分の命を捨ててダイ達を助けたりする敵も出るほどに・・・。またバーンとの最終決戦時には、バーンの策略で地上が滅びそうになりますが、地上の人々がダイの呼びかけに応じ、世界を救うキッカケとなるのです。純粋な心と全幅の信頼をもって接することで、人々から愛され勇者となった魅力的なキャラクター、それが「ダイ」なのです。
強敵にも果敢に立ち向かうダイ
ダイの見た目は、背が小さく青年になっても子供のようですが、自分よりも大きく強い相手でも決して怯む事なく戦いを挑みます。それは幼少期に勇者に憧れた事と、アバンから勇者とはどのような存在なのかを教えてもらった事が大きく影響しているのではないでしょうか。そしてダイは、自分より強い相手にも敢然と立ち向かい、数々の強敵を打ち破っていくのです。これだけ強いダイですが、決して一人でガンガン敵を打ち破り、味方を頼りにしない傲慢な勇者ではありません。仲間を大切にし、仲間がピンチになれば自分を犠牲にしても守ります。
親友ポップとの絆の強さ
親友であるポップは最初の仲間であり、最後の戦いまでずっと信頼してきたパートナーです。最終決戦ではバーンを後一歩のところまで追い詰めるものの、バーンの策略により人類が滅亡するまで後3分しか残っていないことが判明・・・。その事実を知ったダイは絶望のどん底に叩きつけられるのです。しかし、ポップの激励を受け、再び立ち上がったダイはポップにこう言います。
「おれが・・・本当にくじけてしまいそうなとき・・・本当に諦めてしまいそうなとき・・・いつも最後の一押しをしてくれた奴・・・おれを立ち上がらせてくれた奴・・・」
「最高の友達・・・ポップ・・・!」
「君に出会えて・・・本当に良かった!」
ふたりの絆の強さを見せつけられたシーンでもあり、号泣必至のシーンでもあります。どんなに辛い時でも苦しい時でも、このように信頼をおけるパートナーに出会えたからこそ、ダイはこの場面で立ち上がることができたのでしょう。強いだけではなく、絶対的な信頼を置くことのできるパートナーを持ったダイがとっても羨ましいですね。
純粋な心・勇気・強さを兼ね備えた勇者「ダイ」。まだまだ魅力は隠れていると思います。是非『ダイの大冒険』を読んで(観て)いただき、ご自身の目で「ダイ」の魅力を見つけてください。
(C)三条陸・稲田浩司・堀井雄二/集英社