『ハクメイとミコチ』第2話「ふたりの歌姫 と ガラスの灯 と 一服の珈琲」【感想コラム】

アニメファン以外の人にも見せたいと思うアニメ『 ハクメイとミコチ 』。第2話が放送されましたね。みなさんはご覧になりましたか?
今回は3つの物語で構成されていましたね。Aパート「ふたりの歌姫」ではコンジュ(CV:悠木碧)、Bパート「ガラスの灯」ではセン(CV:安済知佳)という新キャラクターが登場しました。
そんな新キャラはどのような顔を見せてくれたのでしょうか?また、ハクメイ(CV:松田利冴)とミコチ(CV:下地紫野)の2人はどんな生活を送っているのでしょうか?
ハクメイとミコチの2人が織りなすかわいい生活を覗いてゆきましょう。
OP初公開!実写感あふれる映像がユニーク
今回ははじめてOPが放送されましたね。楽曲の雰囲気や実写っぽい自然の風景によって、とても神秘的なOPになっていましたね。
特に、実写感がある映像は独特でしたね。写真に撮った自然の風景を絵画っぽく加工したのでしょうか?キャラクターのイラストがほとんど出てこないOPもなかなか珍しいですが、『ハクメイとミコチ』に関しては作品にピッタリだなと思いました。
また、筆者は神秘的なOPが視聴者を『ハクメイとミコチ』の不思議な世界観に引き込んでくれるような気がしています。
収穫祭で賑わう町、屋台を手伝うミコチと歌姫

Aパート「ふたりの歌姫」には賑やかな町の様子が描かれていましたね。賑やかとは言っても、第1話で見た港町の喧騒とは違い、人びとが町で行なわれている催しを楽しんでいるという感じの賑やかさでしたね。
ミコチはそんな賑やかな町に出店された屋台「夢品商店」でお手伝いをしていましたね。主に「夢品商店」の看板商品「梨ジャム」の材料である梨の皮むきを手伝っていたみたいです。
ハクメイも付き添いできていましたが、ミコチがお手伝いをしている間、ハクメイは何をしていたのでしょう。町をウロウロして時間を潰していたんですかね。ミコチがお手伝いを終えたとき、ハクメイがりんご飴らしきものを食べていたので、いろいろと屋台を回っていたことが想像されます。
この町では毎年、収穫祭に合わせて歌姫を1人選出しており、ハクメイとミコチの2人が訪れたときも今年の歌姫の発表会が行なわれていました。今年の歌姫に選ばれたその人が、先に述べているコンジュです。コンジュはドヤ顔でステージに登場しました。見事なドヤ顔でしたね。
ですが、今年は特別、もう一人の歌姫がいるそうです。もう一人の歌姫は、なんとミコチでした!ノーエントリーにもかかわらず、投票者の猛プッシュによって歌姫として選出されてしまいました。
驚くミコチと賞賛するハクメイが対照的でしたね。そして、エントリーして歌姫に選ばれたにもかかわらず、目立っていないコンジュと、ノーエントリーで歌姫に選ばれて目立つミコチも対照的でした。ステージ上で「ぐぬぬ…」と悔しそうな顔をするコンジュの心中をお察しします。
評判の良いミコチの歌

歌姫に選ばれたミコチですが、本人は納得がいっていないようです。ミコチは「どうして自分が…」とぼやきます。ミコチが歌姫に選ばれた理由の一端として「ミコチの歌は評判いいからなー。歌を目当てに新聞屋や行商がやってくるんだ」とハクメイが言っていましたね。
確かに、家事の最中や入浴中に歌うミコチの歌声はキレイで美しかったですね。その歌声を目当てにやってくる人がいるのもわかります。
ですが、ミコチ本人は歌姫としてステージに立つことを辞退するつもりだそうです。そのミコチの意志を聞いたコンジュはぷりぷりと怒ってしまいます。まあ、自分がエントリーして勝ち取った歌姫の座を、ノーエントリーでサラッと獲得したうえ、辞退すると言うミコチに対して怒っちゃう気持ちはわかりますね。
当のミコチ本人は、コンジュが怒っている理由には気づいていなかったみたいですが…
ED「Harvest Moon Night」を歌うコンジュとミコチ、付喪神たちも踊っちゃう!
収穫祭の意味を知ったミコチは、風邪をひいたコンジュとステージに立つ決意をします。ステージで歌われたのは、EDテーマ「Harvest Moon Night」です。EDテーマは第1話で公開されていましたが、第2話にして歌っているキャラクターが判明しましたね。
コンジュのアルトとミコチのソプラノが美しいハーモニーを奏でていましたね。やっぱり、この曲いいな~、と思いました。客席で聴いていたハクメイも笑顔でしたね。
そして、歌を聴いた付喪神たちが騒ぎはじめたことで、町はてんやわんやになりました。ほうきとちりとりがリズムを取り、コップやお皿が動き出し、ステージが浮き上がる、など大変なことになっていましたね。
もう、ああなったら諦めるしかなさそうですね。
魚の幽霊と「生命」の研究

さて、所変わって沼地にきているハクメイとミコチの2人。空は暗く、すでに夜ですが、ハクメイは釣りをしています。
ミコチは「この沼地には魚の幽霊が出るウワサがあるから、もう帰ろう」と言っていましたね。幽霊とかおばけの類のものが苦手なのでしょうか。かわいいですね。対して、ハクメイは「大丈夫、醤油はある」と言っていました。幽霊であっても食べるつもりでいるハクメイに驚きですね。
なんだかんだと話していると、釣り竿に反応が!引きあげてみると、骨だけの魚があがってきました。それを見たハクメイは「ありゃあ、食うとこないな」と一言。ミコチは卒倒しました。卒倒したミコチを心配するハクメイのもとに表れたのが、第2話もう一人の新キャラクター・センでした。
センは「生命」をテーマに研究をしている研究者で、骨だけで動いている生き物たちはその研究成果だそうです。骨だけの生き物が動く原理は不思議なもので、まるで魔法のようでした。でも、あの世界ではそんな魔法のような現象が成立しているんでしょうね。
付喪神の存在が当たり前のものとして受け入れられているところにも見られますが、この世界では不思議な現象を受け入れることができるその世界独特の常識があるんでしょうね。
自家焙煎、直割りがモットー
第2話最後のお話は、第1話にも登場した「ポートラウンジ小骨」が舞台でした。ということで、第1話に続いてマスター(CV:緒方恵美)が登場しました。マスターがコーヒーを淹れている様子が描かれていましたね。
その様子のなかにちょっと不思議なシーンがありましたが、みなさんはお気づきになりましたか?
コーヒー豆をミルで挽く前に、コーヒー豆を砕いていましたね。なるほど、身長9センチメートルの彼女たちにとってコーヒー豆は大きすぎるんですね。アニメを見る限りですが、一粒のコーヒー豆だけで3杯はコーヒーを淹れられるみたいです。
「ポートラウンジ小骨」では自家焙煎、直割りがモットーだそうです。マスター曰く、事前に割られたコーヒー豆を使うよりも自分でコーヒーを割ったほうが美味しいコーヒーを淹れることができるそうです。
動かなくなるミルと先代マスターの面影

マスターが淹れたコーヒーを飲んだミコチが「マスター豆変えた?」と言ったことで、ハクメイとミコチが無銭で飲んでいるコーヒーや、マスターが自分で飲む用のコーヒーを淹れるために使うミルが壊れていることがわかりました。
修理とかが得意なハクメイがミルをばらしてみるも、特におかしな部分もありません。むしろ、思いのほかキレイでした。ミルの刃も触っていて痛いくらいだそうで、まだまだ使えそうな感じでした。
ばらしたミルを組みなおしましたが、依然ミルは不調なままです。不思議ですね。
ハクメイが言うに「どこも悪いところがないのに突然死んだように動かなる道具がたまにある」らしく、そういう道具は直せないことが多いみたいです。ハクメイは「悔しいけど、諦めて酒飲んで寝るに限る」と潔く話していました。
結局、修理することは諦めてしまいました。ですが、その日の夜、不思議な出来事が起こりました。動かなくなったミルが淡く発行しながら、部屋のなかを浮かんでいたのです。なんと、そのミルは付喪神になったのです!
付喪神は愛され続けた古道具が突然なるものだとハクメイが言っていましたね。それを聞いたマスターが昔の思い出を思い浮かべます。
マスターが幼き日の記憶には、先代のマスターと思われる人物がミルを使っている様子が描かれていましたね。幼き日に憧れた先代マスターとそのミル。いつか使ってみたい、いつかそのミルで美味しいコーヒーを淹れたいと思った遠い昔の日が回想されていました。
先代のマスターに、そして今のマスターに愛され続けたそのミルは付喪神となり、店から去ってゆきました。去り行くミルを眺めながらマスターが言った「あいつは自分で休むって決めたんだね」という一言に深みを感じました。
そして、去り行くミルの姿に先代のマスターであるマスターのお母さんの姿が重なりました。
自分のミルでコーヒーを淹れたマスターの一言がしみる
先代のミルが去ったあと、目が覚めてしまった3人。ミコチの提案でコーヒーを飲むことになりました。
Cパート「一服の珈琲」のはじめにコーヒーを淹れていましたが、それと同じようにコーヒー豆を砕き、砕いた豆をミルで挽き、コーヒーを淹れるマスター。そのコーヒーを美味しそうに飲むハクメイとミコチ。
そして、マスターも自分で淹れたコーヒーを一口飲んで一言「うまいねぇ」とつぶやきます。
この一言に込められたさまざまな想いを想像すると、何とも言えない愛おしさを感じますね。緒方さんの演技が素晴らしかったですね。
アニメ『 ハクメイとミコチ 』第2話「ふたりの歌姫 と ガラスの灯 と 一服の珈琲」の感想

今回放送された第2話では、ハクメイとミコチの2人以外のキャラクターにスポットライトが当たっていたように思います。コンジュやセンといった新キャラクターが活躍するエピソードや、第1話に登場したマスターを掘り下げるエピソードによって、作品に深みが出ていたのではないでしょうか?
筆者的には、Cパート「一服の珈琲」がたまらなく好きですね。様々な想いが詰まった古いミルを通じて、マスターの過去を垣間見ることができたところがとても良かったですね。マスターの人生、ひいては「ポートラウンジ小骨」という店の歴史の断片を見ることができたような気がします。
第2話を経て、より一層『ハクメイとミコチ』の世界に引き込まれてしまいました。第3話では、どのような世界を見せてくれるのでしょうか?
来週も楽しみですね!
©樫木祐人・KADOKAWA刊/ハクメイとミコチ製作委員会