3月のライオン 第2シリーズ 第8話「Chapter.60 真昼の月」「Chapter.61 冒険者たち」〜それぞれの状況【感想コラム】

ひなたの問題について林田先生に相談するシーンと、そして晴信の戦いについて描かれていた9話。
いじめ問題とはまた違ったかたちで、胸が苦しくなるような、切なくなってしまうようなストーリーでしたね。
正解がどうか分からなくとも歩み続ける人たち━━、その思いに応えれらるようなレビューを目指して、今回もベストを尽くしたいと思います。♬
相談相手のかたち

「教師なめんなよ」と、声を大にして説いてくれる林田先生の姿はとてもかっこよかったです!
確かに先生の言う通り、学校には担任の先生以外にもたくさんの先生がいますね、
先生の相談することを決めたのであれば、それこそ生徒指導室に足を伸ばしてみるのもいいかもしれません。
あと作中で出てくるかはわかりませんが、文部科学省が相談窓口というものも設けています。
学外に視野を広げて助けを求めてみるのもアリなんじゃないかと。
ただ、ひなたには親身になってくれる周囲の人がちゃんといます。
あかりやおじいちゃん、そして零がひなたを助けてくれる人になってくれると嬉しいですね。
戦いの連続の人生
おそらく、これまでの人生の中で最も苦しい時間を過ごしているひなた。
そんな彼女とは違うかたちで、これまでずっと戦いの中でもがき続けてきたのが二階堂晴信です。
千日手とは

新人戦の準決勝。
遠征によって体力を消耗していた晴信にとって、対局の長丁場は避けたいところでした。
しかし、最終的に倒れてしまった晴信要因の一端は相手の“千日手”による打ち直しです。
この千日手について『日本将棋連盟』の公式ホームページには下記のような説明があります。
同一局面が4回現れた時点で「千日手」となり、無勝負とする。尚、連続王手の千日手は反則である(第8条反則の第7参照)。なお、同一局面とは、「盤面・両者の持駒・手番」がすべて同一を意味する。
こちらの本文にある「無勝負になる」とは、これ以上は盤面の変化が望めないのではじめっから打ち直ししましょうということなのでしょう。
今回の場合、晴信は劣勢から粘りに粘って優勢にまで持ち込めたものの、そこから改めてもう一局戦う体力は残っていなかったのですね
恵まれた体ではなかったけれど……

目標に掲げていた決勝での零との対決が叶わず、今も症状と戦っている晴信。
他の棋士たちに比べ、大きなビハインドを背負っていつも勝負に向かっている彼ですが、その周囲には素晴らしい人が見守ってくれていますね。
島田八段をはじめとする頼りになる先輩たち、ライバルの零の存在、さらには第1期で交流を持つようになった花本家など、ちょっと思い返しただけで何人も上げることができます。
そんな中、個人的に最も推したいのが「じいや」である花岡氏の存在。
晴信が幼少期のころからずっと側で支えてくれている一番の理解者。
体調のことも最も把握してくれており、どんな時も冷静に対応してくれるおじいちゃんです。
晴信にGPSをつけている疑惑があるなど、ちょっと行き過ぎた感じもありますが(笑)、常に想ってくれている花岡氏の存在なくして今の晴信の活躍はないのでしょう。
3月のライオン 第8話感想
ひなたと晴信では、置かれている状況が全然違います。
だけど、二人も確固たる意志を持っていて、その意志を理解してくれる周囲の人がいる点ではシンクロしているように思います。
異なった環境の話にも交わる点がしっかりとあり、毎回一つの話として届けてくれているのは、『3月のライオン』の大きな魅力なのかなっと、今回の8話を見て改めて実感しました。♬
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